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シルク印刷とはなに?メリット・デメリットや活用例を解説

シルク印刷とは
シルクスクリーン印刷とは?

シルク印刷とは、スクリーンとよばれる版板にインクをつける印刷方法です。シルク印刷により、さまざまな制作物が生み出されています。この記事では、シルク印刷について知りたいと思っている人へ向けて、シルク印刷の概要やメリット・デメリットを解説します。シルク印刷の活用例についても解説するため、ぜひ参考にしてください。

※記事内容は当工房の担当者が感じた主観的な意見です。他印刷会社とは意見に相違がある場合もあります。予めご承知ください。

2021年07月25日

シルク印刷とは

シルク印刷とは、スクリーンとよばれる版板にインクをつけて印刷する方法です。スクリーンの素材はポリエステルやナイロンなどの樹脂であり、小さな穴が空いています。もともと、スクリーンの素材は絹であったため、シルク印刷という名称がつけられました。シルク印刷は、「シルクスクリーン印刷」ともよばれています。

シルク印刷は芸術の表現のひとつとしても知られており、さまざまな作品づくりのために活用されています。

 

シルク印刷とオフセット印刷の違い

オフセット印刷とは、直接転写せず、一度ブランケット銅に転写させたうえで印刷する方法です。オフセット印刷は多色刷りに向いており、グラデーションのあるデザインもきれいに印刷できます。印刷にかかる時間も短いため、大量に印刷したい場合に便利です。コストも低く抑えられます。

ただし、シルク印刷と比較すると、耐候性は低めです。印刷面のインクが厚くなるため、場合によってはインクの色が裏から透けてみえる恐れもあります。

 

シルク印刷のメリット

シルク印刷にはさまざまなメリットがあります。ここでは、具体的なシルク印刷のメリットについて解説します。

■低コストで大量生産ができる

シルク印刷は、印刷する枚数が多くなるほど割安になります。シルク印刷は色別に版板を作ったうえで印刷するため、たくさんの印刷物を作成するほど1枚あたりの価格が下がります。

また、色別に版板を作るという特徴があり、使用する色の種類を減らせばその分だけコストの節約が可能です。コストダウンを狙うには、印刷するサイズを小さくするという方法もあります。シルク印刷なら、予算に応じてコストを下げるための工夫が簡単にできます。

■対応できる素材が多い

シルク印刷は、さまざまなものに対して印刷できます。空気と水以外なら何でも印刷できるといわれるほど、シルク印刷の対応範囲は広いです。よって、さまざまな用途や目的のために用いられています。

たとえば、紙や布はもちろん、陶磁器やガラスなどにもシルク印刷が可能です。衣類や飲料水のパッケージなどにも、シルク印刷は活用されています。電子製品や液晶画面にもシルク印刷の技術が使われています。

■鮮やかな色彩に仕上がる

シルク印刷は、一般的な印刷方法よりもインクを厚めに塗れます。そのため、色味をはっきりとみせられ、美しく表現できます。下地の色の影響を受けにくく、デザインどおりの表現が可能です。

はっきりとした色や淡い色もイメージ通りに印刷でき、制作物のクオリティを高められます。なるべく完成度の高い商品を作りたい場合も、シルク印刷はおすすめです。

■耐久性に優れる

シルク印刷に使用されているインクは、耐久性が高いという特徴があります。インクを染み込ませるのではなく、インクを表面に乗せて熱で乾燥させて定着させるためです。

シルク印刷は色褪せしにくく、簡単にははがれません。衣類に印刷しても、数回の洗濯で印刷面が劣化する可能性は低いため安心です。きれいに印刷できるだけでなく、長く美しさを保てます。

 

シルク印刷のデメリット

シルク印刷にはデメリットといえる部分もあります。ここでは、シルク印刷のデメリットを解説します。

■少数生産に向いていない

シルク印刷をするには版板を作る必要があり、版板の製作にはまとまった費用がかかります。一度版板を作れば大量に印刷できるため、印刷すればするほどコストは割安になります。しかし、印刷する枚数が少なければ、割高になるため注意が必要です。

なるべく安くシルク印刷をするためには、大量生産が前提になります。印刷する枚数が少ない場合は、シルク印刷以外の方法を選んだほうが安く済ませられる可能性が高いです。

■色数によって値段が変動する

シルク印刷では色別に版板を作るため、使用する色の数が多いほどたくさんの版板を作る必要があります。版板の数が増えればその分だけコストも増えるため、カラフルな印刷をしたい場合は費用が高くなります。シルク印刷を選ぶときは、デザインに使用している色の数も考慮しましょう。

ただし、シルク印刷には色鮮やかで美しい仕上がりを実現できるという特徴もあります。コストよりも美しさを優先したい場合は、シルク印刷がおすすめです。

■印刷に時間がかかる

シルク印刷をするにはまず版板を作る必要があり、版板の作成に時間がかかります。また、シルク印刷で印刷した後は乾燥させなければならないため、その分の時間も必要です。熱を与えて乾燥させ、一定時間そのままにしておく必要があります。

シルク印刷を依頼してから印刷物が完成するまでは、少なくとも1週間以上かかります。その点を理解したうえで、印刷の計画を立てましょう。印刷する内容によってもかかる期間は変化するため、余裕をもって取り組むべきです。

 

シルク印刷の手順

シルク印刷はどのような手順で進めるのでしょうか。ここでは、具体的な手順について解説します。

■1.版板・インクの作成

まずは、版板(スクリーン)を作成します。次に、樹脂などでできているフィルムを用意し、印刷したい絵や文字を描きます。紫外線によりフィルムから版板に絵や文字を焼き付けたら、版板は完成です。版板は色別に作成するため、使用する色の数にあわせて何枚も版板を作成します。

さらに、シルク印刷をするためのインクも作成します。印刷物のデザインを考慮し、必要なインクを調合していく作業です。デザインを忠実に再現するためには、インクを正確に調合する必要があります。

■2.被印刷体の汚れを落とす

印刷する予定のものを用意し、汚れやほこりを取ります。汚れやほこりがついていると、きれいに印刷できない可能性があるからです。具体的には、印刷が途切れたり、ピンホールができたりする場合があります。

完成度の高い制作物を完成させるためには、被印刷体の汚れやほこりを丁寧に落とすことが重要です。シルク印刷の特徴を最大限に活かすための重要な工程だといえます。

■3.版上にインクをのせて乾燥させる

作ったインクを版板の上に直接載せ、ヘラで色をつけていきます。このヘラは、スキージーとよばれています。スキージーで刷るときは、一定のスピードで均一な圧力をかけるのがポイントです。スキージーに与える力加減や、スキージーの角度によっても、被印刷体に付着するインクの量は変化します。それぞれのデザインにあわせ、細かな調整が必要です。

被印刷体にインクが乗った後は、そのまま乾燥させます。専用の乾燥機でしっかり乾燥させると、シルク印刷の全行程が完了します。

 

シルク印刷の活用例

すでに触れたとおり、シルク印刷はさまざまな素材に対して印刷できます。織物、ガラス、陶磁器などさまざまなものを印刷できるため、市販されている商品にもシルク印刷がよく施されています。曲面にも印刷可能であり、工夫次第で幅広く活用可能です。ビジネスだけでなく、アートの世界でも注目されています。

耐候性にも優れているため、屋外で使用するステッカーやシールの印刷にも向いています。車やバイクに貼るシールを作りたい場合も、シルク印刷はおすすめです。

御見積のご依頼についてまとめ

シルク印刷にはさまざまなメリットがあり、幅広く印刷できます。特に大量生産したい場合は、コストを抑えて効率的な印刷を実現可能です。耐候性もあり、屋外で使用するシールの印刷にも適しています。

繁盛シール工房は2004年にオープンし、納品実績は1万件を超えました。オーダーメイドでシールの作成ができ、イメージ通りのシールを作成できます。専任アテンドに相談ができるため、効果的なシールづくりを希望する人にもおすすめです。「ひとつ、ひとつ。シールづくりに、思いを込めて」をモットーに長年の経験で培ってきた知識や技術を提供しています。ぜひ無料見積りをご利用ください。

この記事で解説したシールの用途・素材・加工方法

シール印刷方式:シルク印刷(スクリーン印刷)

シルク印刷(スクリーン印刷)

シルクスクリーン印刷は、版枠に網目の版を張り、網目からインクを通し印刷を行います。インク層が厚くなるので、耐候性に優れた印刷方式と言えます。

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