シール印刷ラボ

シール印刷の価格(コスト)を安くするポイント【基本仕様編】

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課題

シール印刷を依頼する印刷会社を選定する際のポイントをお持ちでしょうか?個人差はあると思いますが、やはりコスト感が重要なポイントになります。しかし複数社に見積を依頼しても、納得できる価格回答がこないことはありませんか。勝手な思い込みで仕様を決定し見積を依頼することで想定外の価格返答がくることもあります。今回はシール印刷の現場から価格を少しでも抑えるポイントを見積に必要な項目に合わせてご紹介します。

※記事内容は当工房の担当者が感じた主観的な意見です。他印刷会社とは意見に相違がある場合もあります。予めご承知ください。

2017年08月25日

シール印刷の素材を見直す

シール印刷を行う際にどの素材に対して印刷するかはとても重要です。素材ごとにメーカーからの仕入れ価格も異なります。安いと思っていた素材が以外と高かったりもします。一般的には紙素材がフィルム素材よりも安いと思われがちですが、紙素材の中にはフィルム素材と同等の価格のものもあり、一概に紙素材が安いとも言えません。シール素材の価格高低をおさえておけば、シール素材を見直すことで印刷費用が下がる可能性があります。
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シール印刷の粘着剤を見直す

シール素材には粘着剤がセットになります。素材によって対応している粘着剤は様々ですが、この粘着剤も価格に影響することがあります。粘着剤は大きく分けて2つの目的に分類されます。一つは永久接着を目的にしたもの、もう一つは再剥離を目的にしたものです。永久接着目的には普通粘着剤・強粘着剤・トイシ用糊などがあり、再剥離目的には弱粘着剤・弱粘再剥離・強粘着再剥離・微粘着剤などがあります。他にも種類はありますがざっと7種類の粘着剤があります。これらもメーカーからの仕入れ価格が異なりますので価格高低をおさえておけば見直しに役立ちます。
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シール印刷のサイズを見直す

シールのサイズは素材の使用量と連動します。サイズが大きければ使用量が増し、小さければ減ります。少量であれば価格差も少ないかもしれませんが、数万枚になれば5mm変更するだけでもコストが下がる可能性があります。また印刷会社が使用しているシール印刷機には最大対応サイズがあり、それをオーバーすると大型のシール印刷機を使う為、コストが大きく跳ね上がることもあります。当工房で一番よく使うシール印刷機の最大対応サイズは165mm×120mmです。これをオーバーすると大型機で対応することになります。仮に170mm×120mmで検討されているシールがあれば5mmサイズを変更するだけでコストが下がる可能性があります。

シール印刷の色数を見直す

色数は素材と並んで価格への影響が大きい項目です。当工房でも1色・2色・3色・4色と価格は上がります。色数が増すことで版数が増え、使用するインキの数も増え、作業工数も増すのでコストが上がります。逆に考えると色数を落とすことで価格を下げることができます。似たような色であれば色を統一にすれば色数を減らすことができます。またK100%の黒と特色グレーの2色であれば特色グレーをK50%にすることで色数が1色になります。ちょっとした拘りを無くすことで価格は下がります。
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シール印刷の仕上方法を見直す

仕上方法はシールの貼付け方やご利用方法によって異なりますが、これも価格に影響することがあります。例えば、当工房の巻取り仕上はシート仕上より価格が高く設定されています。シールピーラーをご利用であったり、シールを自動貼りするのであれば変更できませんが、何気なく巻取りにされているのであればシート仕上に変更した方が良いでしょう。また断裁仕上は当工房ではオフセット印刷やシルク印刷などコスト高な印刷方式に特化した仕上方法となっています。これを凸版印刷の1枚カットに変更することでコストが下がることもあります。データ内容によってオフセット印刷やシルク印刷で対応する必要がある場合は難しいですが、凸版印刷で対応できるデータ内容であれば価格効果があります。

シール印刷の表面加工を見直す

この場合の表面加工はラミネートを指します。ラミネートは表面の艶出しや印刷面の保護、撥水効果などの為に行いますが、価格的には考え方としてはベースの材料とラミネート材の2つを使用することと貼付作業の工数が増えるので価格は高くなります。なので用途的に絶対的な必要性がなければラミネートの有無を再検討するのも良いでしょう。

※関連事例
そのシールの表面に保護ラミネートは必要ですか?

まとめ

シール本来の用途やご利用環境を考慮した仕様決定は前提ですが、それらに影響を与えない程度であれば仕様変更によって価格を下げることもできます。ご利用環境に対してスペックオーバーになっている仕様であれば、今一度、仕様を再検討してみては。仕様が合っているか判別できない場合は、印刷会社の担当者に直接、相談した方が良いでしょう。

この記事で解説したシールの用途・素材・加工方法

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